2010年10月16日土曜日

名水の会「東山道武蔵路跡保存整備工事に関する意見書」に対する教育長の回答書

2010年9月14日名水の会会員11名の連名で国分寺市長と教育長宛に「東山道武蔵路跡保存整備工事に関する意見書」を提出しましたが、10月15日教育長名の回答書が届きました。
事業者に対する市の説明不足によってこのような結果になったことを認めています。
この責任の所在はどこにあるのでしょうか。

9月14日名水の会会員連名による「東山道武蔵路跡保存整備工事に関する意見書」:
http://masugata.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-4
これまでのレポートは、真姿の泉TODAY[[トピックス-3]歴史・文化財をめぐる風景]にまとめてあります:
http://masugata.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300894306-1


--------(10月15日教育長名の回答書)----------
国教教ふ収第467号
平成22年10月1日

国分寺・名水と歴史的景観を守る会殿

国分寺市教育委員会
教育長  松井 敏夫


東山道武蔵路跡保存整備工事に関する意見書について

 既にご案内のとおり,このたび,8月5日付け官報告示により,旧東京都指定
史跡東山道武蔵路(武蔵国分寺跡北方地区)区域及び旧市立第四小学校跡地区
域が,国指定史跡に追加指定されるとともに,史跡名称が「武蔵国分寺跡 附
東山道武蔵路跡」に変更されました。
 これは,東山道武蔵路跡の学術的な重要性によるものであるとともに,国分
寺市(以下「市」という。)が,市民とともに永年にわたり保存活用に積極的
に取り組んできた成果ということができます。
 
そこで,市と国分寺市教育委員会(以下「教育委員会」という)では,来る
11月3日に,国史跡指定記念歴史講演会「東山道武蔵路の時代 ― 日本の古代
道路とその保存・活用 ― 」を東京都教育委員会の後援を得て開催する運びとな
りました。
 講演会では,文化庁記念物課の近江俊秀さんと東京大学大学院教授の佐藤信
さんをお招きして,東山道武蔵路の果たした歴史的役割や今後の保存・活用の
あり方について,お話しいただきます。あわせて,旧市立第四小学校跡地で発
見された東山道武蔵路跡遺構の調査成果もご紹介します。
 多くの方々にご参加いただき,共に指定を喜びたいと存じます。

 さて,旧市立第四小学校跡地の売却にあたって教育委員会が行いました確認
調査により,地下遺構が良好に保存されていることや,道路跡側溝や竪穴住居
跡・特殊遺構跡などが重複して発見され,3期にわたる道路跡の変遷を柱とす
る当地における古代の様相が判明しました。
 かかる成果を踏まえて,地区計画(都市計画)において保存範囲を広域に設
定した上で,市が土地利用事業者(以下「事業者」という。)を公募し,事業
が行われているところであります。
 当該保存範囲にかかる保存・活用整備について,教育委員会は,市の付属機
関である国分寺市史跡武蔵国分寺跡整備計画策定委員会(以下「策定委員会」
という。)の答申を踏まえて,「旧第四小学校跡地に所在する古代東山道遺構
の保存・活用整備計画」(以下「計画」という。)を平成22年2月25日に策
定しました。
 教育委員会では,計画に基づき,平成23年度に,保存・活用整備事業を進め
ているところでありまして,現在,本年10月末の工事着手を目途に,実施設計
を取りまとめているところであります。
 この間,事業者とは,公園用地の提供を受けること,周囲の史跡空地を借用
すること,提案を踏まえ一部工事費負担を行っていただくこと,並びに隣接す
る開発事業の姿等との調整があることから,計画策定段階の協議に継承して,
さらなる協議を進めました。
 そこで,事業者からは,隣接する介護老人保護施設の高齢者等への影響から,
照り返しやスケートボード等の遊び場となる危惧から,舗装ではなく,全面を
芝生にして欲しいとの強い要望が出されました。
 事務局では,昨年度,事業者提案を基本に,策定委員会で審議をお願いし,
答申を得ました。その後,教育委員会で決定した計画では,3期に及ぶ道路跡の
変遷などの歴史事実を表し,北側の旧都史跡部分の延長であることを理解して
いただくように,遺構表現手法に共通性を持たせ,北側同様,舗装材による表
現で,色を合わせることを基本としました。教育委員会は,事業者に対してこ
の基本方針を繰り返し、説明しましたが,事業者においては,表現すべき道路
遺構は側溝のみであるとの理解,並びに,仕上げの素材は実施設計において変
更しうるものとの理解が基本にあり,調整が難航しました。原因の一つとしま
しては,この間進めてまいりました協議における事務局の説明が不十分で,そ
の様な認識を持たれてしまったものと受け止めています。

 かかる状況のなかで,7月の市民説明会段階では,事業者との調整はついて
いませんでしたが,1期の道路の間を中心に弾性舗装とし,その他は芝生とす
る案をもって,広く市民意見を伺いました。協議中であり,固まった案ではな
いことを前提に,説明したのですが,なお,不十分であったものと反省してお
り,これにより,急な変更と受け止められてしまったものと認識しております。
 その折の市民意見は,二つに分かれまして,道路遺構が理解でき賛成である
というものと,中央部が弾性舗装であると,照り返しや,スケートボード等
の遊び場となる危惧から反対であるというものでした。

 そこで,教育委員会では,策定委員会の委員長をはじめ,東京都教育委員会
及び文化庁のご指導、ご助言をいただきながら,事業者との協議を進め,7月
末に至り,8月の市民説明会で披露した修正案が出来あがった次第です。
 修正案では,北側と南側で,1期と3期までの側溝間を弾性舗装により表現
しています。中央部は,地区の特性である高齢者等福祉に配慮して,舗装材に
よる照り返し対応と地域交流の場の促進を図るために,1期と3期側溝間を芝
生表示としました。その上で,1期の東側溝の外側と,3期の西側溝の外側を
弾性舗装としました。これにより,道路遺構部を明示しました。
 なお,中央部の芝生表示の中に,1期西側溝と3期東側溝が入ることになり
ますので,草が伸びるなどして,道路遺構としての表現が,不鮮明とならない
ように,今後,適切に管理していく必要があることはいうまでもありません。
 これらの工夫によりまして,計画に定めましたとおり,3期に及ぶ道路跡の
変遷などの歴史事実を表し,北側の旧都史跡部分の延長であることを理解して
いただくことが,一定,できたものと判断しております。この件につきまして
は,文化庁,並びに,東京都の専門官がオブザーバーとして同席された,平成
22年9月10日に開催されました策定委員会におきまして,ご報告し,ご理解
をいただいているところでございます。
 8月の市民説明会においては,修正案に対して,賛成とする意見がある一方,
7月に,道路遺構が理解でき賛成であるという立場の市民からは,修正案では,
東山道を正しく理解するための歴史公園ではなく,事業者の庭になってしまう
との,厳しいご意見をいただきました。
 今回,貴殿からも,同じ趣旨のご意見をいただいた次第であります。
 事務局として,こうしたご意見は重く受け止めているところでございますが,
事業者との協議の事情が基本にあり,一定,委員長及び文化庁,東京都教育委
員会よりご助言をいただくなかで、調整が整った,修正案にて,事業を進めさ
せていただいているところであります。

 今後,歴史公園として,十分活用していただくために,開園後は,担当者に
よる報告会,あるいは学習会や見学会,パンフレットによる周知などが大切で
あると考えています。
 以上のような経過でございますので,何卒,ご理解をいただくとともに,今
後とも,国指定史跡 武蔵国分寺跡 附東山道武蔵路跡の保存・活用整備に,
ご協力をいただきたくお願い申し上げる次第であります。
以上

2010年10月14日木曜日

第二次まちづくり条例改正原案出前説明会

名水の会で「第二次まちづくり条例改正原案出前説明会」の申し込みをしました。
以下の日程・会場に決まりました。

 日時:2010年10月27日(水)15:30~(1時間程度)
 会場:国分寺市役所第1庁舎3階 第2委員会室

 国分寺市では「国分寺市まちづくり条例」の見直しを進めています。
第二次条例改正大綱の決定を経て「第二次国分寺市まちづくり条例改正原案」が作成されました。この改正原案についてのパブリック・コメントの募集が始まっています。募集期間は10月1日(金)~11月1日(月)です。
 市内で活動している団体を対象に、出前説明会を開催するということで、申込みをしました結果、上記の日程に決まりました。
「まちづくり」や「条例」に関心がある多くの皆さま、出前説明会へご参加ください。よろしくお願いいたします。

ご参考までに、主な改正概要を市報10月1日号から転載します。
第二次まちづくり条例改正原案の主な改正概要

「第4章 協働のまちづくり(第12条~第24条)」
(市民と市による地域特性を生かしたまちづくりの仕組みである「まちづくり 計画」について定めた章)

「第5章 秩序あるまちづくり(第25条~第38条)」
(都市計画の提案制度や都市計画の決定等について定めた章)上記2つに対しては内容の変更は行わず、より適切な執行を図るために改正を行います。

「第6章 協働協議のまちづくり(第39条~第84条)」
(開発事業に伴う手続きや基準を定めた章)開発事業の整備基準等を中心に、第一次改正で取り扱わなかった事項の改正を行います。新たに次の事項を規定します。
○紛争調整の仕組みとして、従前の公聴会、開発事業の再考要請制度に替えて、早期の段階から扮争当事者の意見の整理・調整を第三者が行う「調整会」を設けます。
○国分寺崖線を抱える市として、斜面地の建築物と周辺の住環境の調和を図るため、建築基準法の委任規定として、斜面地における建築物の制限に関する規定を設けます。

2010年10月9日土曜日

10月8日(金)開催の拡大幹事会報告(要旨)

●国分寺・名水と歴史的景観を守る会拡大幹事会

日時:2010年10月8日(金)18:15~20:00
会場:国分寺市本町・南町地域センター 集会室・学習室
出席者:6名

Ⅰ.検討事項:

1.諸国国分寺めぐりの件(担当:松本浩男さん)
①第2回国分寺めぐりの開催予定日程は、11月から12月初旬の平日とする。
②マイクロバスの定員に満たなくとも、20名程度で採算が合うよう参加費は一人5,000円とする。参加者募集に関しては、応援可能な団体へ声を掛け協力依頼をする。
③下野国分寺は下総国分寺のようなアップダウンの激しい地形ではないので、バスを出来るだけ活用して移動できる。下野国分寺と国府とは川を隔てている。見学コースに東山道を含めることも可能。
④第2回諸国国分寺めぐり「下野国分寺とその周辺を歩く」で解説と案内をお願いしている国学院栃木短大教授酒寄先生からのご連絡をいただき次第、日程、コース等々を決めることとなる。

2.今後の定例学習会と公開講座の講師の件
①来年定年のふるさと文化財課の福田課長に出前講座を依頼する。時期は来年2011年1月。演題は「私と武蔵国分寺 ― 武蔵国分寺発掘へのおもい」、「建築史と水の関係」、「武蔵国分寺と水」等どうか?
②椚國男さんを講師としての公開講座を来年度開催できるよう準備する。公開講座開催時期は7月。「多摩の古代」、「八王子の文化財保護」等の講演はどうか?椚さんの場合、多摩考古学会、文全協への参加者応援依頼が必要。
③3月の総会での基調講演を石田幸彦さんにお願いしたい。「水郷の話」。

3.第二次国分寺市まちづくり条例改正原案へのパブリックコメント実施と出前
説明会の件
先ず、まちづくり市民会議委員の畑中さんから改正の概略説明。
①10月13日(水)午後1時30分からと午後6時30分からの2回条例改正原案の市民説明会が実施される。会場は国分寺Lホール。内容は2回とも同一。まちづくり条例の改正点を理解するためにも是非この説明会にご参加ください。
②国分寺市では、市内で活動している団体を対象に第二次まちづくり条例改正原案の出前説明会を実施するとの広報があるので、出前説明会を申込むこととする。出前説明会の実施期間は10月14日(木)~29日(金)。 

4.その他
①2011年2月5日(土)開催の環境シンポジウム(会場:東京学芸大学)と2011年2月27日(日)開催の第5回市民活動フェスティバルへの参加の件。例年通りポスター参加してはどうか。市川散策・下総国分寺の報告を「国分寺めぐり」のパネルに仕立てて展示するのが良い。
②2010年12月17日(金)第4回全国湧水保全フォーラムが平成の名水百選に選ばれた東久留米市で開催される。コーディネイターは神谷博さんと森誠一さん。村山先生が指摘されたように武蔵国分寺建立の拠り所の一つは、真姿の池湧水。好処での武蔵国分寺建立は祇園精舎へつながる。今回は市民活動団体「国分寺・名水と歴史的景観を守る会」のメンバーとして第4回全国湧水保全フォーラムに臨みたいと神谷さんが発言。参加者全員賛成の拍手。

Ⅱ.報告事項:

1.緑の基本計画見直し及び国分寺市湧水・地下水保全条例へのパブリックコメントの件
①見直し等検討協議会委員の藤木さんから経過説明。パブリックコメント公表は、11月、3月議会承認と聞いたが、10月18日(月)14:00よりプレハブ第3庁舎で検討協議会が開催される。その時、パブリックコメントの報告も当然出てくるはず。皆さま傍聴よろしくお願いします。

2.2010年9月14日付で市長及び教育長宛に提出した東山道武蔵路跡保存整備工事に関する意見書の件
①ふるさと文化財課では目下回答書を検討している。回答書が事務局に届き次第ご報告します。内容は、8月案で整備工事することに決定しており、10月中に整備工事を始めるとのことです。回答内容を再度検討し、次の策を練ることとする。

3.その他
①第1回全国源流サミット開催のご案内
日時:2010年10月22日(金)~24日(日)
開催場所:山梨県道志村 水源の郷やまゆりセンター
実施主体:第1回全国源流サミット実行委員会
共催:道志村、全国源流の郷協議会、NPO法人源流ネットワーク
後援:国土交通省、環境省、林野庁、山梨県、横浜市、桂川・相模川流域協議会
申込み・問い合わせ先:山梨県南都留郡道志村6181‐1 同志村役場内第1回全国源流サミット実行員会事務局
TEL.0554-52-2111 FAX.0554-52-2572
E-Mail:genryu@vill.doshi.lg.jp
HP:http://www.vill.doshi.lg.jp/

②国史跡指定記念講演会
「東山道武蔵路の時代―日本の古代道路とそれ保存・活用―」
日時:2010年11月3日(祝)午後1時~4時30分(0時30分開場)
会場:市立いずみホール
内容:①基調報告「旧国分寺市立第四小学校跡地の発掘調査成果と保存・活用」
講師:本市ふるさと文化財課職員
②講演「古代道路の発掘と保存・活用」
講師:近江俊秀さん(文化庁記念物課調査官。考古学専攻。)
③後援「東山道武蔵路と古代東国」
講師:佐藤信さん(東京大学大学院教授。日本古代史専攻。現在本市史跡武蔵国分寺跡整備計画策定委員会委員)
定員:320人
費用:無料
問い合わせ先:ふるさと文化財課 TEL.042-300-0073

※すでにご案内いたしましたが、申し込み者が少ないそうで、まだまだゆとりがあるそうです。ご都合つく方は、ご友人をお誘いの上ふるさと文化財課へ電話(042-300-0073)でお申し込みください。
    
③2010臺北國際花卉博覧會TAIPEI INTERNATIONAL FLORA EXPOSITION のご案内
2010台北花博「国際庭園」出展参加
エコ・アジア・五感の庭  ・・・50年後の家族へ・・・
会期:2010年11月6日(土)~2011年4月25日(月)
主催:台北市政府
後援:福岡県・福岡市・北九州市・NPO日本園芸福祉普及協会・(社)日本造園学会九支部・雨水ネットワーク会議・西日本短期大学・北九州義農の会・小規模作業所ドリーム2
協賛:九州電力株式会社・福岡市造園建設業協会・NPO法人プレミア会

④第33回水環境シンポジウムのご案内
「雨を制御し、活用する新たな建築をめざして」
日時:2010年11月13日(土) 13:00~17:00
会場:建築会館 大ホール
JR田町駅、都営地下鉄三田駅(浅草線、三田線) 徒歩3分
〒108-8414東京都港区芝5-26-20  TEL:03-456-2051

参加費:1500円(会員1000円、登録メンバー・後援団体1200円、学生500円)   
申し込み:事前申し込み、定員150名,11月10日締め切り
催し物名称、氏名、勤務先、所属、住所、電話番号を明記しメールまたはFAXにて申し込み

プログラム:
主題説明:小瀬博之(東洋大学准教授)
1.雨水活用システム規準案解説
1)設計規準:神谷博(法政大学兼任講師)
2)製品規準:屋井裕幸((社)雨水貯留浸透技術協会)
3)施工規準:青木一義((株)西原衛生工業所)
4)運用規準:中臣昌宏(文京区文京保健所)

2.コメント「今日の水問題と雨水の役割」
1)島谷幸宏(九州大学教授):流域で取り組む雨水制御
2)古米弘明(東京大学教授):都市の水循環とリスク管理
3)細見寛(国土交通省中国地方整備局副局長):次世代に向けた統合的な治水

3.パネルディスカッション「雨を活用する新たな建築を目指して」
コーディネイター:村井三郎(広島大学特任教授)
パネリスト:神谷博、屋井裕幸、青木一義、中臣昌宏、島谷幸宏、古米弘明、細見寛

①、③、④は神谷さんからのご案内です。ご都合つく方は是非ご参加ください。

2010年10月8日金曜日

名水の会10月定例会は拡大幹事会

毎月第二金曜日は名水の会定例学習会開催日ですが、今月は都合により拡大幹事会を開き、今後の活動につき話し合いたいと思います。多くの皆さまのご出席よろしくお願いいたします。

◆日時:2010年10月8日(金)18:00~20:00
 会場:国分寺市本町・南町地域センター 集会室・学習室
 検討内容:今後の活動 その他