2010年2月27日土曜日

2/12の定例学習会報告

藤木さんの中間報告に先立ち、畑中さんから国分寺市南町二丁目マンション工事現場の出水の件につき、35分ほど現状報告を伺いました。
国分寺市南町2丁目マンション工事現場の報告は、正確を期すため、報告者の畑中さんから直接ご報告いただきました。

◆国分寺・名水と歴史的景観を守る会2月定例学習会
 日時:2010年2月12日(金)午後6時~8時
 場所:国分寺市本町・南町地域センター 集会室・学習室
 講師:藤木千草さん(国分寺市緑の基本計画見直し等検討協議会委員、当会幹事)
 演題:国分寺市緑の基本計画見直し等検討協議会中間報告
 出席者:13名

●南町二丁目の崖地マンション工事での出水の件について、現状報告(畑中久美子)
1.マンション工事の場所
殿ヶ谷戸庭園の南、野川不動橋の北東、国分寺街道沿いの崖地。
南側の野川と、東側の殿ヶ谷戸谷(古多摩川の旧河道)に囲まれ、地下水が集まってくる場所。ここに、地下1階、地上7階建てのマンションが計画されている。

2.地層断面図
事業者が平成20年度第9回と第10回のまちづくり市民会議に提示した資料で説明。
国分寺街道の道路面と同じレベルまで、崖際を4~5m掘り下げたところで出水。
さらに、地下ピットの部分がこれから2mほど掘り下げられ、敷地の西半分は、武蔵野砂礫層が丸ごと剥ぎ取られる計画。

3.所管課の緑と水と公園課は、礫層から出た水はげすいに捨てず、礫層に戻す構造にせよとの指導はしている、と聞いている。

4.2/9事業者が出水状況と出水対策についての説明会を開催。畑中も住民から連絡を受け同席。
事業者から、崖の切断面に縦の水みちをつくり、建物の根切底の下に砕石を敷いた人工水みちのようなものを1本通して、国分寺街道側に残っている礫層の中に放す、という説明があった。(事業者が皮膚した図面等で説明)しかし事業者は同時に、これから掘り下げるところは固結シルト層だから水は出ないと言い張り、そうなると、人工水みちから水を放すところも固結シルト層ということになってしまう。

5.畑中撮影、工事現場の写真資料5点
(1)崖線の出水箇所:コンコンと湧いており、波紋がはっきり見える様子を動画でも見てもらう。
(2)山留め工事のために現場に大穴が掘られ水が湧いている。
(3)大穴の中の水。上から水が流入していなくても水が溜まる。
(4)南東角の「吸い込み井戸」 崖際からの出水の大半が流れ込んでいるが、穴から水が溢れることなく,
水位が全く変わらない。
(5)掘削面直上の崖上道路の側溝が割れ、路肩が下がっている。地盤の被害がすでに出ている。
(6)本日午前中のまちづくり市民会議、急遽、現場視察となったが、現場には入れず、国分寺街道から眺めただけ。出水の様子も、大穴の中に湧いた水も見られなかった。畑中が事前に用意した資料(定例会に用意したものと同じ資料)を配布して、現状を知ってもらう。行政は情報が古く、現状を把握していない。

●国分寺市緑の基本計画見直し等検討協議会中間報告(藤木千草)
配布資料:
①レジュメ(1.協議会の経過 2.今後に向けての意見交換)
②協議会開催予定(案)
③国分寺市緑の基本計画 現計画の施策の進捗点検、及び見直しの方向性の確認書
④(仮称)国分寺市地下水及び湧水保全条例の骨子

1.国分寺市緑の基本計画見直し等検討協議会の構成は公募委員2名、緑化・地下水等保全活動をしている団体の代表1名、エックス山等市民協議会の代表1名、公園サポート事業に参加している団体の代表1名、東京むさし農業協同組合の推薦を受けた者1名、識見を有する者3名、市の職員2名の12名から成る。

2.2009年6月8日の第1回協議会で、委員長に小倉紀雄先生、副委員長にJAの中村光利さんが選出された。

3.協議会はすでに2009年7月22日に第2回、2009年10月5日に第3回、2009年11月9日に第4回、2010年1月13日に第5回が開催された。

4.第5回協議会までに、緑比率の目標は26%とすべきこと、現緑の基本計画の施策の見直しで、次計画では不要となっている項目の検証が必要なこと、地下水・湧水保全に関わる条例は井戸も視野に入れてどうかとの意見が出たことの報告があった。

5.今後に向けての意見交換では以下のようは意見があった。
①配布資料の現計画の施策の進捗点検、及び見直しの方向性の確認書にある「次期計画での位置」欄での要不要などは、庁内委員会での検討が優先されていることは問題で、更なる検討と検証が必要。
②現緑の基本計画の見直しは、本来5年で見直すはずであったが、10年後に延びてしまったわけで、実施の担保が大事である。
③見直し確認調書を見ると細かい話と大きい話がごちゃごちゃになっている。基本計画と実施計画とは別にすべきである。
④地主優遇の見直し方向(№11、№12など)には問題がある。
⑤いくら涵養しても、上水道の為の地下水の水揚げ量が問題。
⑥第5回協議会で(仮称)国分寺市地下水及び湧水保全条例の骨子が提示されたが、湧水路も含める意味で「国分寺市地下水及び湧水等保全条例の骨子」と「等」を入れてはどうか。
⑦第四次国分寺市長期総合計画、国分寺市都市マスタープラン、国分寺市環境基本計画、国分寺市まちづくり条例等との整合性も考慮すべきである。
⑧一度小倉先生に声掛けし、市民委員との話し合いの機会を持ってはどうか。市民の意見をまとめておくことが必要。

協議会期間2年間に見直し基本計画と条例とを策定してしまおうということで、大変なスピードで進んでいるように感じます。第5回協議会で国分寺市地下水及び湧水保全条例の骨子(案)が提示された段階で、藤木さんから中間報告をしていただいたことは大変タイムリーだったと思います。協議会後半に向け、藤木さんには更なるご尽力をどうぞよろしくお願いいたします。